【講演会】障害あるきょうだいがいても、その子らしく伸び伸び育つには~きょうだいの気持ちへの寄り添い方~

10月27日(金)10時~12時 教育会館3階多目的ホールにて家族支援プロジェクトと学齢委員会の共催で「障害のあるきょうだいがいてもその子らしく伸び伸び育つには」~きょうだいの気持ちへの寄り添い方~の講演会を開催しました。(参加者68名、内訳で一番多かったのは、小学生の33人、次には未就学児の11人でした。また今回は、保護者だけでなく支援者の方の参加もあり、「きょうだい」に対する関心の高さが伺えました。)

講師には、全日本育成会連合会の家族支援/障害認識プロジェクト開発委員であり、ご自身も知的障害のある方のごきょうだいでおられる有馬桃子氏(臨床発達心理士/きょうだいの会運営)をお迎えしました。また、きょうだい児を育てた上で様々な体験をされた3名のお母様にもエピソードをお話して頂きました。

講演のスライドの中で、障害のある人の兄・姉・弟・妹を「きょうだい」、障害のある人を「兄弟姉妹」と表記されていましたので、以下の文章もそれにならっています。

有馬先生は、きょうだいタイプの一例として5タイプを挙げられました。
① 優等生・ヒーロータイプ…よい子で頑張る。燃え尽きることもある。
② 世話焼き・ケアテイカータイプ…思いやりがあり、世話焼きが自分の存在意義。
③ 道化師タイプ…おどけてユーモラス。本当の気持ちを見せない。
④ いないふりタイプ…素直でおとなしく手がかからない。自己主張できない。
⑤ 問題児タイプ…愛情や充足を求めて問題行動を起こす。

以上の5タイプでありますが、いくつものタイプを合わせ持っていたり年齢によって変化することは多々あるとのお話から、皆さんご自分のお子さんがどのタイプなのか考えてみるよい機会となりました。

きょうだい児は自然に障害ある兄弟姉妹を受け入れたり、特徴についてわかっていることもあるが、一方では説明されないと理解できないこともあり、年齢に応じた説明が必要であること、また、一般的な兄・弟・姉・妹の立場の違いとして、年齢以上の役割や責任感を持たされることがあったり対等に遊んだりケンカしたりしにくく絆が不足しがちな面があるというお話には、ハッとしました。

ただ、きょうだいにとって大切なことは、障害のある子にとっても、すべての子どもにとって大切なことというお話を伺い安心しました。

・安心できる環境で育つこと。
・ひとりの子どもとしてありのままの自分を認めてもらえること。
・愛されている感覚があること。
・自分は自分でオッケーと思えること。
・自分の気持ちを受け止めてもらえること。
・いろいろな経験をして自分自身を知ること。
・きょうだいの人生はきょうだいのものとして、選択の自由が認められていること。
・自分はひとりではないと感じられること。
・必要な時に人を頼ったり、助けを求められること。

有馬先生は以上の9点を挙げられました。

最後に親御さんご自身のケアについて、ご自身が元気であることは家族にとっても大事と話され鏡の中の自分に『大丈夫!!』と言ってみると効果的とのことでした。ぜひ、実践してみたいと思います。

三人のお母様のお話も素晴らしかったです。
① 高3男性のお母様
大学2年生の姉と高校1年生の弟さんは同じ環境で育ってきたのに、全く違うタイプで試行錯誤されながらも上手に対応されているお話はとても興味深く身近に感じられた方も多かったと思います。
② 19歳男性のお母様
4歳上のお兄さんは幼少期はしっかりタイプ。成長段階の揺れる思いを赤裸々に語って頂き現在は自分のやりたいことを見つけ自分の為に生きているというお話に胸が熱くなる思いがしました。
③ 23歳男性のお母様
3歳上のお兄さんがいらっしゃいますが、今回は、主にご自身の障害ある弟さんとの関係の立場からお話をして下さいました。「結婚」について不安に感じられている方へ。ご自身は早いタイミングで結婚したいと思った彼(今のご主人)に障害ある弟さんのことを話されたそうです。周りの障害のあるお子さんをお持ちのお母様の中には、すでにお孫さんがいらっしゃるお母様もたくさんいらっしゃいます。あまり、心配されませんようにとのことでした。

今回は親の会の会員以外の方や未就学児の保護者の方も多数参加してくださいました。「参加してよかったです。きょうだい児への配慮だけでなく、家族全員に心しておくことを学びました。」とのお声も頂き、大変嬉しく思いました。(学齢委員会代表)

★アンケートから★
初めて〝生”のお話をうかがうことができました。とても勉強になりありがとうございました。

障害のある兄弟姉妹がいるいないに関わらず、子育てをする上で家族やその他の人とつながる環境で生きていく上で「自分は自分でOK」と思えるようになること!が大切だと感じました。

障害のある弟と、姉がいますが、生まれた時から姉の将来がずっと不安でした。今、周りからの目を気にしている様子とか、たぶん弟の事を親に悪く言ってはいけないんじゃないかとか、その様子をふだん感じ取っているので、親として子供の受け止め方など、色々と参考になりました。家に帰って、自分の気持ちをよく整理して、今後も頑張っていこうと思います。ありがとうございました。

以前きょうだい児の話を伺った時にも、お話を聞かせていただきましたが、時が流れ(少しですが)我が家の「きょうだい」が思春期になり、先生、先輩方のお話がぐっと身近で、よく理解できる心境でした。なんだか泣けちゃいました。先輩方のお子様が成人になって、いまだ、まだ先の事を心配し、見守り続けていくお話に母はとても大きな存在であるなーと感じました。まだまだつづきますね。このような場に参加できて、つながっていける事にとても感謝です。

「きょうだい」に対してのお話ももちろん参考になりましたが、最後に親も自分自身を大切にすることが大切、という言葉、身につまされてしまいました。一生懸命家族のことで動くこと、手をぬいてはいけないという思いが強くて、気持ちの余裕がない最近でした。自身の体調、気持ちの持ちようを考えたいと思いました。まず、歯医者に予約入れようと思います。

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