第五回全国手をつなぐ育成会連合会全国大会 京都大会 


2/23~24に 国立京都国際会館にて開催されました。
大会スローガンは 『京(みやこ)から ほほえみ あふれる 新しい未来へ』
本人大会スローガンは 『ほほえみあふれる 未 みらい 来に向 む けて 京 きょう の都 みやこ で 手 て をつなごう』 でした。


1日目の分科会:C高齢期…テーマ「高齢期になったらどうなるの?どんな準備がいるの?」基調講演は上智大学教授の大塚晃氏。18年前の「知的障害者の高齢化対応委員会報告書」で、高齢の方の地域生活を支援する施策を積極的に推進すべきと提言され、それにより施策が整えられつつあるが、まだ課題は多いとの指摘がありました。ポイントの1つは「ワクワクどきどきする支援計画」を作ってもらうことだとの話も印象に残りました。介護保険との関係や共生型サービスについては、市川でも行政や法人と検討していく重要な課題だと認識しました。午後の講演は、静岡市障害者歯科保健センター所長の服部清氏。健やかな老後のためには歯や口の健康(健口)が大切で、今から出来ることは何か、実行しようという話で、市川でも3年前から、会員の歯科の先生と繫がっているので、今後も健口の研修を積み重ねたいと改めて思いました。オーラルフレイル(老化の始まりを示すサイン)のチェックの話は、私たち親にも当てはまり、健口は我が事としても重要だと、会場の反応が大きかったです。シンポジウムでは、親の立場で向井公太氏、入所からGHへの実践の話でお二人(社福ゆうかり理事長の水流源彦氏、のぞみの園次長の古川慎治氏)から貴重な話がありましたが、時間が足りず、もっと聞きたかったと思いました。 
 
 D暮らし…テーマは「みつけよう、はじめよう、自分らしい暮らしを‼」でした。基調講演は、毎日新聞社論説委員の野沢和弘氏で意思決定と合理的配慮について、とても良い話を聞けました。シンポジウムは、コーディネーターに全国育成会統括の田中正博氏、シンポジストにNPO法人サポートひろがり管理者の山田由美子氏・ぐらすグループ代表の友野剛行氏・京都手をつなぐ育成会理事・知的障害者支援事業所‟七“所長の櫻井基生氏でした。友野氏は船橋を拠点に株式会社を作り‟のれん分け”の様に育てた職員に事業を任せ、自分は再び別の事をしていくというスタンスで活動。とても印象に残る話でした。

 E権利擁護…テーマは「知的障害者の理解促進と権利擁護」でした。関哉直人弁護士による基調講演は、障害者が地域で生活していくと、心無い言葉や白い目で見られたり、福祉施設建設の際の反対運動や事件に巻き込まれたりします。でも、理解していれば起きない事件も多く「理解促進」が大切です。しかし「理解」と一言で言ってもアプローチの仕方は様々。相手に対してどのアプローチが有効か、目標は何かを踏まえて理解促進に努めていくことが必要だとのことでした。具体的に「楽しく理解促進」していくための事例として、今では全国的に広がっている様々な地域での「キャラバン隊」の活動が紹介されました。スライドに次々と、各地のキャラバン隊の様子が紹介されましたが「キャラバン『空』」のスライドも何枚もあり、とても嬉しかったです。午後からは「中央情勢の報告」として、厚生労働省虐待防止専門官の片桐公彦氏の講演。「虐待防止の取り組み」として、障害者虐待防止法の詳しい解説がありました。虐待を見つけた時、私達には通報する義務がありますが、中でも施設で虐待が起きた事例の「通報は全ての人を救う」という言葉が印象的でした(「被害者」「虐待した職員」「責任者」「施設・法人」すべての被害や責任を最小限に留める事が出来る)。実践報告「やってみよう!キャラバン隊」では、練馬手をつなぐ親の会会長の森山氏と杉並区手をつなぐ育成会会長の永田氏より、29年度の全国育成連合会の助成金を利用して、練馬と杉並2つの育成会が協力し、一緒に「キャラバン隊活動」を始めるに至った経緯と報告でした。初めは、自分たちがキャラバン隊をやるのではなく、どこかのキャラバン隊を呼んで研修会を行うつもりが、関哉先生の一言から実際にキャラバン隊を結成し、初公演をすることが出来たとのことでした。全くタイプの違う2つの育成会が協力し、会員以外にも行政・教職員・交通機関の職員などが参加することが出来た研修会の話を聞いて『空』が出来る前(15年以上前)に行った「真間地区懇談会」を思いだしました。最後はシンポジウム。コーディネーターは関哉先生、シンポジストは、明石市から弁護士の青木氏、先に講演した杉並の永田氏、大阪手をつなぐ育成会の坂本氏でした。青木氏からは、明石市独自の障害者のための条例や取り組み。永田氏からは、親の目から見た権利擁護と親の想い。坂本氏からは、東大阪市の取り組みの紹介がありました。盛りだくさん過ぎて、会場からの質問の時間が無くなってしまったことが残念でした。今回、様々な地域の活動を知ることが出来ました。今後の『空』の活動ヒントになることも沢山あり、いい刺激になりました。これからも頑張ります。
 2日目の全体会…大会式典後に全国育成会統括の田中正博氏の中央情勢報告がありました。記念講演は、精神科医で作詞家である、きたやまおさむ氏でした。テーマは「あの素晴らしい愛について」。
浮世絵で昔の親子関係(特に母子)を紐解き、現代の家族関係に思いを馳せる、精神科医ならではの話でした。

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